東京の下町、台東区鳥越。観光地の喧騒とはまた異なり、生活感が息づく落ち着いた雰囲気のあるエリアです。昔ながらの商店などが立ち並ぶ一角には、時代に流されることなく地元民に愛され続ける老舗が点在しています。そんな鳥越で、今回は割烹料理店の暖簾をくぐってみました。

その店の名は、「大新(だいしん)」。外観からすでにただならぬ風格を感じさせる、創業何十年と推測される佇まい。その暖簾の先には、心に沁みるような味わいが待っていました。
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「大新」は木の看板と暖簾が目印で、昭和の香りが色濃く残る店構えに、思わず足を止めて見入ってしまうほど。中に入ると、飴色に艶めいた木のカウンターと、年季の入ったテーブル席が並びます。厨房から聞こえる油のはぜる音が、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。

「大新」のランチメニューは、まさに“ノスタルジック”の一言。その中でも、特に目を引いたのが「天丼」。
運ばれてきた瞬間、ふわっと香る油の香りと、軽やかに盛られた天ぷらの姿に心が躍ります。定番の素材が、衣をまといながらもそれぞれの形を保っていて、揚げの技術の高さを感じさせます。

特筆すべきは、衣の軽さ。サクサクというよりも、ふわっとした食感で、重さを感じさせません。そしてその上からかけられているタレがまた秀逸。甘さ控えめで、醤油の香りがほんのりと立つ、素材の味を殺さない絶妙なバランス。つゆだくではなく、あくまで“控えめ”なのが老舗らしい品の良さです。
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食後の印象に強く残ったのが、定食に添えられていた古漬け。見た目は控えめですが、その酸味と塩気が、口の中をリセットしてくれます。いわゆる“浅漬け”では味わえない、奥深い旨味と香りがあります。まさに、箸休めでありながら、料理全体の印象を引き締める名脇役。